「自己査定」とは?銀行の資産評価の基礎

「自己査定」とは?銀行の資産評価の基礎

2025年11月19日

——銀行の“本当の評価基準”を知ることが、あなたの会社の未来を守る第一歩です——

はじめに

中小企業の社長と話していると、必ずといっていいほど出てくる悩みがあります。

  • なぜ融資が通らないのか分からない
  • なぜ銀行の態度が急に冷たくなったのか
  • なぜメインバンクが積極的でなくなったのか
  • なぜプロパー融資が止まったのか
  • なぜ金利が上がると言われるのか

これらにはすべて共通した「銀行内部の理由」があります。

それが 「自己査定」 です。

私は銀行歴25年、うち10年を審査担当として、
数千社の“自己査定”の判断に関わってきました。

断言します。

自己査定を理解すれば、銀行の行動が100%読めるようになります。
逆に、自己査定を知らないまま銀行と話すのは“丸腰で交渉する”のと同じです。

この記事では、銀行取引コンサルタントとして、
そして現役の銀行員として審査の現場を知り尽くした立場から、
社長が“今こそ知るべき自己査定の基礎と本音”を徹底解説します。


1. 「自己査定」とは何か?

まず結論から言うと、

自己査定とは、銀行が自分の保有する「貸出金」をどれだけ回収可能かを評価する作業
です。

銀行は貸したお金(融資)を

  • 回収できるのか?
  • 何割危ないのか?
  • 将来損失がどれぐらい出る可能性があるか?

を、毎期必ず内部で判定しなければなりません。

その評価結果が「自己査定」です。

なぜ銀行は自己査定を行うのか?

理由はシンプルです。

✔ 「回収できないお金」は、銀行の“損失”になる
✔ 損失を出すと、銀行の自己資本が減る
✔ 自己資本が減ると、銀行は倒れやすくなる
✔ だから早めに「危ない融資」を把握し、備えなければならない

つまり、自己査定は銀行の「生命維持装置」です。


2. 自己査定は“決算書の点数付け”ではない

多くの社長が誤解しているのはこれです。

自己査定=決算書の成績表ではない。

確かに決算書は重要ですが、それ「だけ」で査定が決まるわけではありません。

むしろ審査の現場では、以下の3つを総合評価して自己査定をつけます。

  1. 定量評価(数字)
  2. 定性評価(経営者の姿勢・事業性)
  3. 現場評価(資金繰り・商流・動き)

最終的には審査官・担当者の“目”が入ります。


3. 自己査定は4つの区分に分かれる

銀行内部の資料では、貸出先は次の4区分に分類されます。

① 正常先

健全で返済に問題がない先。

② 要注意先

悪化の兆しがあるが、まだ返済できる先。

③ 破綻懸念先

倒産の可能性が高く、返済が危ぶまれる先。

④ 破綻先

すでに実質破綻している先。

自己査定が悪化すると、その会社への融資は原則禁止になります。
そのため、

自己査定が下がる=社長の知らないところで、銀行から距離を置かれている状態
となります。


4. 自己査定が決まる「7つの着眼点」

ここからは、私が審査官として実際に見てきた“プロの視点”を公開します。
自己査定は次の項目によって決まります。


① 決算内容の健全性(数字の基礎)

銀行は数字に強い。
しかし数字を「鵜呑み」にはしない。

見ているのは、

  • 過去3年の推移
  • たまたまの黒字か、実力の黒字か
  • 原因の説明ができるか
  • キャッシュが増えているか
  • 売上の質はどうか(瞬間風速ではないか)

特に審査官は「増収減益」を警戒します。


② 資金繰りの緊張感

赤字より怖いのが「資金繰りの悪化」です。

  • 約定返済が遅れる
  • 手形の決済にヒヤッとする
  • 緊急の短期借入を繰り返す
  • 税金や社保が遅れ始める

これらはすべて「査定を悪化させる信号」になります。


③ 経営者の姿勢

実は、ここが最も重視されます。

私は審査をしていて何度も思いました。

“誠実な社長”の会社は、自然と再生する。
逆に“説明を避ける社長”の会社は、決算書が良くても危険。

経営者の誠実さは、
自己査定の最重要ファクターのひとつです。


④ 粉飾の匂い

審査官は、これを最も嫌います。

  • 在庫の急増
  • 売掛金の謎の増加
  • 仮払金が減らない
  • 役員貸付金が膨張
  • 粉飾特有の科目移動

これらの「違和感」に敏感です。

粉飾の疑いがあると、自己査定は一気に“要注意先”以下に落ちます。


⑤ 主要取引先の動向

社長が元気でも、取引先が倒れる会社は危険。

  • 売上の集中度が高い
  • 特定の大口先が不安定
  • 業界そのものが下降傾向

銀行は「社長の努力ではどうにもならない要素」も冷静に判断しています。


⑥ 担保価値

担保があると回収可能性が上がり、自己査定は改善します。

ただし誤解が多いのですが——

担保は(貸さない理由の否定)であって、(貸す理由)ではない。

担保があれば貸すわけではありません。


⑦ 事業性評価

ここが近年の銀行審査の“本丸”です。

  • ビジネスモデル
  • 継続性
  • 社長の理念
  • 将来の見込み
  • 地域への貢献
  • 社内体制

自己査定は、「数字だけ」ではなく、この“未来の見込み”が必ず影響します。


5. 自己査定と債務者区分の違い

似ていますが、厳密には違います。

債務者区分

→「会社そのものの信用力」を評価するもの

自己査定

→「個別の融資(借入)」を評価するもの

しかし現場では、

自己査定が悪い → 債務者区分も悪くなる

という連動が発生します。

つまり自己査定の悪化は
社長が思っている以上に“重症”なのです。


6. 自己査定が悪化すると何が起こるか?

社長が見ていない裏側では、次のことが起きています。


① 銀行が積極的でなくなる

  • 電話が減る
  • 面談依頼が減る
  • 提案が減る
  • 接触頻度が下がる

社長は「最近銀行がそっけないな」と感じるが、
実際には 内部で自己査定が悪化している のが原因です。


② プロパー融資が不可能になる

銀行内部規定により、
自己査定が悪い先にはプロパーは通りません。


③ 新規融資が止まる

保証協会付きも含めて、融資の可能性が極端に減ります。


④ 金利が上がる

「内部的にリスクが上昇した」という扱いになるため、金利が上がります。


⑤ 経営者保証の解除が遠のく

保証解除には

  • 財務の健全性
  • 事業性評価の高さ
  • 債務者区分の良さ
    が必要です。

自己査定が悪化している会社は、保証解除の対象外になります。


7. 自己査定は“社長の行動”で改善できる

私は審査官として何度も見てきました。

決算書は悪くても、
自己査定が改善する会社があります。

その社長たちに共通する特徴は:

✔ 資料提出が早い

✔ 説明が正直

✔ 無駄な見栄を張らない

✔ 経営数字に誠実

✔ 課題と向き合う力がある

✔ 改善計画を即実行する

✔ 顧問に丸投げしない

逆に、
「言い訳の多い社長」「数字を隠す社長」は、
決算書がそこそこ良くても査定は悪化します。

銀行は、
“数字”よりも“社長の姿勢”を信じている
というのが真実です。


8. 銀行取引コンサルタントが自己査定改善に強い理由

私のように「審査のロジック」を理解している人間が入ると、
自己査定は改善しやすくなります。

その理由は:

  • 銀行が疑問に思うポイントを先に潰せる
  • 資料の整合性を整えられる
  • 銀行語に翻訳した説明ができる
  • 審査部が納得するロジックを構築できる
  • 面談同席で“誤解”を防げる

さらに行政書士としての信頼性、
銀行経験25年の説得力も加わります。

つまり私は、

「社長の言葉」と「銀行の判断基準」をつなぐ“翻訳者”

なのです。


9. まとめ:自己査定を知ることが社長の武装になる

自己査定は、銀行の内部で行われる評価です。
しかし、それは社長が知れば知るほど、
銀行取引が有利になる“武器” になります。

今日お伝えしたように、

  • 自己査定は決算書だけでは決まらない
  • 社長の姿勢が最も影響する
  • 改善は可能
  • 審査のロジックを知ることが最大の武装になる
  • 正しい伴走者がいれば、区分を上げられる

というのが現実です。

社長の会社が持っている価値を、
銀行に正しく伝えるサポート。

それが私の使命であり、
審査官として培った“眼”を社長のために使う理由です。

もしあなたが
✔ 銀行対応を強くしたい
✔ プロパー融資を通したい
✔ 保証解除を目指したい
✔ 自己査定を改善したい
✔ 銀行の本音を知りたい

そう思われるなら、私は全力で伴走します。

まずはお問合せフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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